農に思う

昨日雨の中を兵庫県丹波市市島町にある市島有機農業研究会の橋本農園さんに、友人の誘いで行ってきました。
有機無農薬栽培を始めて35年になるそうです。
鶏は平飼いで育てています。
この鶏舎は臭いがほとんどありません。
餌は自家調合穀物と畑に生えた雑草を鶏舎の中に入れて補助餌にしていますが、鶏は草の芯は食べなくてそれが土や糞と混ざり合い発酵するそうです。
鶏舎の土はさらさらしていて良い堆肥になり、畑に入れて野菜を育てる循環型農業です。


見学の後お宅にお邪魔して、地域とのかかわりや消費者との繋がり、農のやり方など色々話を伺いました。
一番若い見学者の、これからの有機栽培農業に未来はありますかとの質問に、即座に奥様が「ありません」と言われたのにはびっくりしました。
ここの農作物は神戸方面の消費者と繋がっていますが、若い人の契約が取れないということ。
これは30歳代以下の年代の人は、年中トマトやキュウリやピーマンがないといけないらしいです。
旬の野菜を料理する方法を知らないから、旬の時期はどうしても同じものが続くとそれでアウトになるようです。
有機露地栽培が基本ですから、今頃夏野菜は取れないのが当たり前、それが分からないと言うかスーパーには年中ありますからね。
夏野菜を冬に食べるのは身体にとっていいとは思われませんが、食生活がそんな健康のことなど考えない状況になってきているのが現状です。
ほかに無農薬有機栽培での色々な問題点や、この農法をはじめたころの理念から外れた農法になってきていることへの戒めなど、さまざまな問題点が出ていました。
私が農を始めた思いや、8年間のことを振り返りながら帰ってきました。
なぜ無農薬農をやるのかと言うことを、もう一度根本から考えさせられる良い一日でした。
山裾の色づいたイロハモミジが雨に濡れて美しかったです。

さあ、今週中にやっと掛け干していた稲の脱穀です。